手術について
動物に優しい手術を
当院では手術を行うにあたり、動物への負担ができる限り少なくなるような手術法をご提案しています。また、飼い主様がしっかり納得された上で手術を行えるように手術前には、分かりやすく時間をかけて説明を行っています。
ご希望がある際や、疑問などがありましたら、診察時にご相談ください。
動物の身体への負担を減らす取り組み
安心の術前検査
当院では安心して手術を受けていただくにあたり、しっかりとした術前検査を行っています。
レントゲン検査・血液検査・心電図検査を基本として、年齢に応じた検査を実施しています。これにより、手術中の急変や、術後の経過不良の確率を事前にできる限り減らすことができます。
最小限の麻酔時間
どんな手術であっても、麻酔のリスクが伴います。
麻酔のリスクは麻酔時間の長さによっても変わります。そのため、動物への麻酔の負担を軽減するには、手術時間を短くすることが必要です。
当院では、できる限り手術時間を短くする術式などを行っています。
痛みの少ない手術
痛みを減らすことは、身体への負担軽減になるということもありますが、術後により早く動けるようになり、より早く食欲が出て、より早く良い睡眠がとれるようにもなります。
その結果として、術後の回復も早くなります。
当院では、できるだけ痛みを伴わない手術機器を導入しています。また、大好きな家族と安心できるご自宅で過ごすことが回復への近道ですので、できる限り早く退院していただき、ご自宅で療養できるためのサポートを行っています。
術後のサポート
手術後の化膿を防ぐために、術後はご自宅で投薬を行っていただくことが必要です。
しかし、お薬をあげるのが難しい子も多くいます。そのため。手術時にお薬の変わりとなる注射を打つことで、飼主様の投薬の苦労を減らすこともできます。
投薬の漏れもなくなりますので、術後の回復も早くなります。注射は麻酔時に打つため、動物の体にも痛みや負担はありません。
当院の手術の流れ
STEP1術前検査
手術前に採血をし、肝機能や腎機能など異常がないかを検査します。年齢や過去の既往歴によって項目検査項目を決めていきます。
※異常値が出て、手術への影響が懸念される場合はお電話します。
STEP2抗生物質・鎮痛剤の投与
麻酔をかける前に抗生物質や鎮痛剤の投与を行います。
この時に使用するお薬も数種類あり、手術をする子の体調や年齢を考えてどれを使用するかを決めていきます。
STEP3気管挿管
気管チューブを気管内に入れます。気管チューブを通して、酸素と麻酔薬を流します(吸入麻酔)。
これにより麻酔がしっかりと効き、ワンちゃんネコちゃんにとっても安全に手術を行うことが出来ます。
STEP4手術
手術中は、様々な機械によって麻酔を管理しています。
- 心電図モニター
- 正常に心臓が動いているかを見ます。
- パルスオキシメーター
- 血液中の酸素飽和度(酸素がどれだけ含まれているか)を見ます。
- 血圧モニター
- 最高血圧と最低血圧、平均の血圧を見ます。
- 呼吸モニター
- ちゃんと呼吸をしているかどうかを見ます。
STEP5術後管理
術後には点滴投与などを行います。また痛みに対するケアを丁寧に行います。
当院の手術は血管シーリングシステムを導入しています
当院では、手術の際に出血や侵襲を減らすため、人の医療にも使われている超音波手術システム「血管シーリングシステム」を導入しております。
凝固しながら切開を行う最新の超音波メスで、安全性を追及したシステムです。今まで困難だった手術を、より安全に成功に導くことができます。
一般的な去勢・避妊手術では縫合糸(絹糸やナイロン糸など)で精巣や子宮・卵巣の血管を結び、体内には糸を残す方法がとられています。
当院で行っている「糸を残さない避妊・去勢手術」とは、一般的な方法とは異なり、血管シーリングシステムを利用して、縫合糸をほとんど使用せずに体の中の血管や組織を結ぶ方式を用いた手術です。
血管シーリングシステムを使用した際のメリット
Merit.1
身体の中にできる限り縫合糸を残さずに手術可能
Merit.2
手術時間を大幅に短縮可能
そのため動物の負担も軽減
Merit.3
安全かつスピーディーに止血・切開も可能
Merit.4
去勢・避妊手術から様々な手術にも利用
不妊手術について
将来的に繁殖を考えていない場合には、早い時期に不妊手術を行うことで将来発生する病気のリスクを軽減することができます。
不妊手術には望まない繁殖を防ぐ以外にも様々なメリットがあります。
下記ではデメリットも含め解説いたします。
不妊手術のメリット
避妊手術(女の子)
1.特有の行動の減少
発情時特有の神経質な状態や鳴き声の減少、出血がなくなります。
2.病気の予防(乳がん・子宮蓄膿症)
初回発情前に避妊手術を行う事で『乳がん』を99%予防できるといわれています。初回でも発生率の減少が期待できます。『子宮蓄膿症』は避妊手術を受けていないと7歳以降に多く発症する病気です。
避妊手術をすることで、病気の予防と、飼い主様は経済的な負担を軽減できます。
去勢手術(男の子)
1.縄張り意識の減少
マーキングやマウンティング、攻撃性の減少が期待できます。
2.病気の予防(精巣腫瘍・前立腺肥大)
前立腺肥大症は、去勢していないと7歳期以降に多く発症する病気です。
去勢手術をすることで、病気の予防と、飼い主様は経済的な負担を軽減できます。
不妊手術のデメリット(女の子・男の子共通)
- 太りやすくなります。
- 食事や運動といった管理で体重を維持することが必要になります。
手術のタイミングについて
避妊手術(女の子)
生後6ヶ月程度で手術を行います。
初回発情を目安に行うことが理想的です。個体差がありますので、成長に合わせ判断いたします。
去勢手術(男の子)
生後6ヶ月程度で手術を行います。
マーキングを始める時期が生後6ヶ月以降と言われているためですが、個体差がありますので、成長に合わせ判断いたします。