猫のフィラリア症

猫にもフィラリア症があることをご存知でしょうか?

犬への犬糸状虫感染が見られる地域では、猫へも感染します。

猫での症状は?

犬とは異なり、3つの病期が存在します。

第1病期:

未成熟虫が肺動脈に到達直後、その大半が死亡することによって起こります。
死んだ虫により急性炎症反応を引き起こします。これは、喘息やアレルギーと間違えられることが多いです。

第2病期:

成虫が死滅し、免疫抑制機構が消失することで急激に引き起こされます。成虫感染猫の10-20%で突然死が認められるとの報告もあります。

第3病期:

第2病期を乗り終えた猫の肺では、不可逆的な病変が形成され、それにより引き起こされる慢性の呼吸器疾患です

猫フェラリアの検査は?

診断が猫フィラリア症においてもっとも難しいものとなります。
どの検査法も、幼虫から成虫まで様々な発育段階にある犬糸状虫を確実に検出することができません。よって、複数の検査を繰り返し実施する必要があります。
検査法は、抗体検査、抗原検査、胸部X線検査、超音波検査があります。
検査結果の解釈を簡潔ではありますが説明します。

抗体検査

陰性⇒診断確信度低下
陽性⇒寄生リスクが上がることが確実

抗原検査

陰性⇒診断確信度低下
陽性⇒犬糸状虫が存在することが確定

胸部X線検査

正常:診断確信度低下
異常所見あり:肺動脈が重度に拡張している場合は診断確信度が上昇

超音波検査

虫体が検出されない⇒診断確信度は変わらない
虫体が検出される⇒犬糸状虫が存在することが確定できる

猫フェラリアの治療法は?

猫に犬糸状虫が感染すると、根治治療はありません

大静脈症候群の際は虫体摘出が唯一の効果的な方法ですが、特殊な技術が必要となる難しい治療法です。また、肺静脈に寄生する虫を摘出することはさらに困難です。

よって【犬糸状虫に感染させないこと=予防】が重要になります

当院での対応

レボリューション

当院では『レボリューション』をお勧めしています。

フィラリア以外にも、回虫、ノミ、耳ダニの予防にもなり、かなり便利な予防薬です☆
投与は、月に一回、背中に滴下するだけです。

何かご不明な点やお聞きしたいことがありましたら、当院スタッフまでお気軽にお尋ねしてください。

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