腎臓のはたらきと慢性腎臓病
~腎臓のはたらき~
腎臓は心臓から送られてきた血液をろ過して余分な水分や老廃物を取り除いて血液をきれいにする役割を果たしています。
ろ過された老廃物は尿として体の外に排出されます。
また、生きていくのに必要な様々な成分の調整を行ったり、血圧の調整や血液の産生を促すはたらきもしています。
~腎臓病、慢性腎臓病とは~
腎臓病とは腎臓に障害がおこることで腎臓のはたらきが悪くなった状態のことを言います。
血液中の老廃物をろ過できなくなり、尿として排出される老廃物が体の中にたまっていきます。
この腎臓のはたらきが徐々に機能しなくなるのが慢性腎臓病です。
慢性腎臓病は多くの場合、かなり進行するまで症状が現れません。また、腎臓の機能が一定のレベルまで低下すると腎臓は二度と回復しません。
~猫の慢性腎臓病~
慢性腎臓病は猫にとって一般的な疾患で中年齢から高齢の猫の生命を脅かす疾患です。
高齢の猫でよく見られ、10歳以上の猫では約30~40%がかかり、5歳以上の猫の死因第1位と報告されています。
~症状~
- 痩せてきた
- 食欲がない
- 水をよく飲むようになった
- 嘔くようになった
- 尿をよくするようになった
- 口が臭う
- 元気がない
- 歯茎が白くなってきた
早期の慢性腎臓病は無症状のこともあります。
~検査~
- 血液検査→腎臓が血液をろ過できているか
- 尿検査→腎臓に障害がないか、尿をしっかり作れているか
- 血圧測定→腎臓が血圧を調節できているか
- 超音波検査→腎臓が異常な形をしていないか
~慢性腎臓病になったら~
治療は治すものではなく腎臓をこれ以上悪くさせないように病気の進行を遅らせるものになります。
● 脱水があるとき
補液を行ったり、ご家庭で水飲み場を増やすなどいつでも水を飲める環境を整えましょう。
● 腎臓にダメージを与える原因
腎臓にダメージを与える原因がある場合は検査、治療しましょう。
● 食事管理
腎臓によい処方食を与えることが大切です。
~早期発見のために~
初期の慢性腎臓病は無症状であることが多く、症状がみられた時には病気はかなり進行していて遅いと言われています。そのため、一見健康そうに見えても、慢性腎臓病になっていることがありますので、早期の発見のためにも定期的な検査を行いましょう!
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